
この作品は、ターナーが70歳の時にロイヤル・アカデミーに出品したものである。
ターナーと汽車に同乗したある婦人の証言によると、画家は土砂降りのさなか窓から首を出し、9分ほど外を眺めたあと席に戻り、15分ほど瞑想していたという。
おそらく、その時この作品の構想を得たのかもしれないが、実際の風景を幻想的に表すのはターナーの晩年作の特徴となっている。この鉄道を媒介としての近代礼讃は、印象派への道を開くことになる。
解説:田辺 清(大東文化大学 教授)
この作品は、ターナーが70歳の時にロイヤル・アカデミーに出品したものである。
ターナーと汽車に同乗したある婦人の証言によると、画家は土砂降りのさなか窓から首を出し、9分ほど外を眺めたあと席に戻り、15分ほど瞑想していたという。
おそらく、その時この作品の構想を得たのかもしれないが、実際の風景を幻想的に表すのはターナーの晩年作の特徴となっている。この鉄道を媒介としての近代礼讃は、印象派への道を開くことになる。