ゴヤ(フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス), プラド美術館

「わが子を食らうサトゥルヌス」 フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス

わが子を食らうサトゥルヌス
年代:1800-1801年
製法:油彩、漆喰からカンヴァスに移しかえ
収蔵美術館:プラド美術館

前作と同じく「黒い絵」の1枚で、ゴヤの中でもことに凄惨(せいさん)な作品である。

農耕神サトゥルヌスは、わが息子に滅ぼされるとの神託を受け、本図のように生まれ出る子を次々とむさぼり食う。

また、この神は“時の翁”で、「時間が食い尽くすようにすべてを滅ぼす」のである。ゴヤはこの恐るべき姿に何を見たのか。憂愁と頽廃、破壊と死は、当時の画家の問題として、また、スペインが向かうべき運命と映ったに違いない。(大高)

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