
前作と同じく「黒い絵」の1枚で、ゴヤの中でもことに凄惨(せいさん)な作品である。
農耕神サトゥルヌスは、わが息子に滅ぼされるとの神託を受け、本図のように生まれ出る子を次々とむさぼり食う。
また、この神は“時の翁”で、「時間が食い尽くすようにすべてを滅ぼす」のである。ゴヤはこの恐るべき姿に何を見たのか。憂愁と頽廃、破壊と死は、当時の画家の問題として、また、スペインが向かうべき運命と映ったに違いない。(大高)
前作と同じく「黒い絵」の1枚で、ゴヤの中でもことに凄惨(せいさん)な作品である。
農耕神サトゥルヌスは、わが息子に滅ぼされるとの神託を受け、本図のように生まれ出る子を次々とむさぼり食う。
また、この神は“時の翁”で、「時間が食い尽くすようにすべてを滅ぼす」のである。ゴヤはこの恐るべき姿に何を見たのか。憂愁と頽廃、破壊と死は、当時の画家の問題として、また、スペインが向かうべき運命と映ったに違いない。(大高)