「わが子を食らうサトゥルヌス」 フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス 作者:フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス 年代:1800-1801年 製法:油彩、漆喰からカンヴァスに移しかえ 収蔵美術館:プラド美術館 前作と同じく「黒い絵」の1枚で、ゴヤの中でもことに凄惨(せいさん)な作品である。 農耕神サトゥルヌスは、わが息子に滅ぼされるとの神託を受け、本図のように生まれ出る子を次々とむさぼり食う。 また、この神は“時の翁”で、「時間が食い尽くすようにすべてを滅ぼす」のである。ゴヤはこの恐るべき姿に何を見たのか。憂愁と頽廃、破壊と死は、当時の画家の問題として、また、スペインが向かうべき運命と映ったに違いない。(大高) スポンサードリンク 編集者RECENT POSTED2023年2月6日憧憬の地 ブルターニュ ― モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷:国立西洋美術館イベント情報2023年2月6日ルーヴル美術館展 愛を描く:国立新美術館イベント情報2022年1月12日【コラム】美術の皮膚(192)マネの黒とマネの闇~モネの友情×打算~コラム2021年12月18日【コラム】美術の皮膚(191)マネの黒とマネの闇~ブーダンとクールベ~コラム2021年12月11日【コラム】美術の皮膚(190)マネの黒とマネの闇~本当の印象派の父~コラム2021年11月27日【コラム】美術の皮膚(189)マネの黒とマネの闇~もう一枚の集大成~コラム編集者の記事一覧