世界の美術館

「着衣のマハ」 フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス

着衣のマハ
年代:1797-1803年頃
製法:油彩、カンヴァス
収蔵美術館:プラド美術館

本作は入念、丹精な仕上げの“裸”と比較して大胆かつ流麗な筆触が目立ち、数年後の制作とみて間違いない。

化粧や髪型も前作とは異なり、髪にはリボンがあり、その気分や心理状態も懸け離れている。その結果、両作(裸のマハ、着衣のマハ)はこれまで様々な解釈に駆り立てたが、モデルはアルバ公爵夫人ではなく、宰相ゴドイの愛人であろう。

当時ゴドイ邸には『鏡のヴィーナス』があり、このベラスケスの名作に並ぶ裸体画を所望したに違いない。

解説:大高 保二郎(早稲田大学 教授)