本作は入念、丹精な仕上げの“裸”と比較して大胆かつ流麗な筆触が目立ち、数年後の制作とみて間違いない。
化粧や髪型も前作とは異なり、髪にはリボンがあり、その気分や心理状態も懸け離れている。その結果、両作(裸のマハ、着衣のマハ)はこれまで様々な解釈に駆り立てたが、モデルはアルバ公爵夫人ではなく、宰相ゴドイの愛人であろう。
当時ゴドイ邸には『鏡のヴィーナス』があり、このベラスケスの名作に並ぶ裸体画を所望したに違いない。
解説:大高 保二郎(早稲田大学 教授)
本作は入念、丹精な仕上げの“裸”と比較して大胆かつ流麗な筆触が目立ち、数年後の制作とみて間違いない。
化粧や髪型も前作とは異なり、髪にはリボンがあり、その気分や心理状態も懸け離れている。その結果、両作(裸のマハ、着衣のマハ)はこれまで様々な解釈に駆り立てたが、モデルはアルバ公爵夫人ではなく、宰相ゴドイの愛人であろう。
当時ゴドイ邸には『鏡のヴィーナス』があり、このベラスケスの名作に並ぶ裸体画を所望したに違いない。
解説:大高 保二郎(早稲田大学 教授)