レポート

美術展ダイジェスト通信①「ボストン美術館 パリジェンヌ展~時代を映す女性たち」

Parijenuten

2018年1月13日(土)から世田谷美術館で開催されている、「ボストン美術館 パリジェンヌ展〜時代を映す女性たち」展の報道内覧会に参加してきました。

この美術展の見どころはズバリ!

パリとそこに生きる女性たちの魅力

アート、ファッション、グルメ…。パリの魅力は様々です。特に、この街を颯爽と闊歩するパリジェンヌたちは、いつも世界中の女性たちの憧れでした。

「パリジェンヌ展」は、18世紀~20世紀の花の都パリを生きた女性たちを、ボストン美術館所蔵の120点あまりの作品で見事に蘇らせています。

絵画からファッションにいたる多角的な展示

家事をする女性の姿や、美しく着飾った貴婦人の肖像画。そして、モリゾやカサットなど、パリに生きた女性画家の作品の数々をみると、いかにパリ、そしてパリジェンヌが芸術家のインスピレーションの源になったのかがよくわかります。

そして絵画だけではなく、ドレスやティーセット、ポートレート写真まで展示され、パリジェンヌの魅力を様々なアングルから伝えています。

修復でよみがえったパリジェンヌ

何といっても展覧会のハイライトになっているのは、近代絵画の父エドゥアール・マネが描いた『街の歌い手』(1862年頃)。ギターを抱えた「流し」の女性歌手が居酒屋から出てきた一瞬を等身大で切り取った作品です。

モデルになっているのは、マネがこの作品の翌年に発表し、一大スキャンダルを巻き起こした問題作『オランピア』や『草の上の昼食』でもモデルをつとめたヴィクトリーヌ・ムーラン。

画集などで、彼女の姿を見比べてみるのも一興かもしれません。この作品は以前一度来日していますが、その時は表面に塗られたニスが黄変し、全体にくすんだ色合いになっていました。

しかし、70年ぶりに行われた1年間をかけた大規模な修復によって、マネの絶妙な筆使いや色彩が鮮やかによみがえったのです。特に、修復前は灰色だと思われていたドレスの綺麗なブルーグレーと、そこにうっすらと描かれているストライプ模様は必見です。ぜひその目でご覧ください!

<展覧会概要>
ボストン美術館 パリジェンヌ展〜時代を映す女性たち」展
2018年1月13日(土)から4月1日まで
世田谷美術館

中川貴文
一般社団法人日本美術アカデミー
クリエイティヴ・ディレクター・構成作家
    スポンサードリンク