ピッティ美術館, ルーベンス(ピーテル・パウル・ルーベンス)

「戦乱の恐怖」 ピーテル・パウル・ルーベンス

戦乱の恐怖
年代:1637年頃
製法:油彩、カンヴァス
収蔵美術館:ピッティ美術館

盾と剣を携えた勇猛な軍神マルスをヴィーナスが押しとどめようとしている。しかし彼は芸術や学問を表す絵画や書物を踏みつけながら、飢えとペストの象徴である怪物と逃げ惑う庶民に向けて突き進んでいく。

両手を挙げ悲嘆にくれる女は、ルーベンス自身が記すところによれば「掠奪(りゃくだつ)、暴行、悲惨に苦しんできた不運なヨーロッパ」を象徴しているのだという。

この作品は、画家自ら経験した三十年戦争の恐ろしさと悲しみを描き出したものなのであろう。

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