この三連祭壇画は、サン・ピエトロ大聖堂(旧聖堂)のために、枢機卿ヤコポ・カエターニ・デルリ・ステファネスキの注文で作られた。
玉座に座る教皇からも、身廊に集まる信者たちからも見えるように、絵は表裏に描かれており、信者側には中央パネルに「玉座の聖ペテロ」、その両翼のうち右に福音書記者聖ヨハネと聖アンドレ、左に聖ヤコブと聖パウロが立つ。
一方、教皇側には中央パネルに「玉座のキリスト』と跪くステファネスキ、両翼のうち左に聖ペテロの磔刑、右に聖パウロの斬首が描かれ、それぞれの上方に殉教者の昇天が示された。
下方の裳画の中央に玉座の聖母子と二人の天使、聖ペテロ、二人の天使、その両翼に他の使徒が並ぶ。ジオットが助手たちを厳しく指導して描かせたもので、自身の筆になるのは表裏両面中央パネルと裳画の玉座の聖母子などである。長い間大聖堂聖具室に置かれていたが、1932年に絵画館(ピナコテカ)へ移された。(高草)