
ドイツ・ロマン主義を代表する風景画家フリードリヒの作品には、しばしば東洋の水墨画にも通ずるような表現を見いだすことができるが、この作品もその一例である。
フリードリヒの風景画は、常に現実の風景の外面的写実であるだけではなく、目の前に広がる自然の厳しさや自然の偉大さに、人間存在の意味を問い、自らの世界観の根底を問うといった自然体験の表明でもある。
解説:有川 治男(学習院大学 教授)
ドイツ・ロマン主義を代表する風景画家フリードリヒの作品には、しばしば東洋の水墨画にも通ずるような表現を見いだすことができるが、この作品もその一例である。
フリードリヒの風景画は、常に現実の風景の外面的写実であるだけではなく、目の前に広がる自然の厳しさや自然の偉大さに、人間存在の意味を問い、自らの世界観の根底を問うといった自然体験の表明でもある。