「ダンテの小舟」 ウジェーヌ・ドラクロワ 作者:ウジェーヌ・ドラクロワ 年代:1822年 製法:油彩、カンヴァス 収蔵美術館:ルーブル美術館 ロマン主義の旗手ドラクロワのサロン初出品作である。主題はダンテの「神曲」地獄篇第8歌から取材されており、ダンテとヴェルギリウスが地獄の河を小舟で下っていくところが描かれている。 その画面全体を覆う陰鬱(いんうつ)な絶望感には、ジェリコーの『メデューズ号の筏(いかだ)』からの影響が認められるが、ここにはさらに文学的な芳醇さが漂い、ドラマティックでおどろおどろしい半面、ドラクロワ特有の文学性豊かな潤いがあることも忘れてはならない。(橋) あわせて見たい絵画・コラム「戦乱の恐怖」 ピーテル・パウル・ルーベンス「ドレスデン祭壇画」 アルブレヒト・デューラー【コラム】美術の皮膚(111)「ロートレック~アンリとエドガー~」【コラム】美術の皮膚(66)「今こそジャポニスムを考えてみる~大事なものは目に見えない~」 スポンサードリンク