
『ヘルベルト・ライナーの肖像』のように人物を真正面からとらえ、抽象的な地の上に孤立した姿として描き出した初期の肖像画に比べ、シーレ晩年の肖像画には、人物をやや上方から眺め、周囲の空間とともにとらえたものが多くなる。
ここに描かれているフーゴー・コラーはウィーンの実業家であるが、周囲の書籍は彼が愛書家であったことを示している。
美術とも縁が深く、彼の妻と娘は画家であった。
解説:有川 治夫(学習院大学 教授)
『ヘルベルト・ライナーの肖像』のように人物を真正面からとらえ、抽象的な地の上に孤立した姿として描き出した初期の肖像画に比べ、シーレ晩年の肖像画には、人物をやや上方から眺め、周囲の空間とともにとらえたものが多くなる。
ここに描かれているフーゴー・コラーはウィーンの実業家であるが、周囲の書籍は彼が愛書家であったことを示している。
美術とも縁が深く、彼の妻と娘は画家であった。