
この作品はレノルズがイタリアから帰英後、肖像画家としてすでに名を馳せていた頃に描かれている。
彼の名声を確立したのは『戦隊指揮官ケッペル』(1753/54年、グリニッジ、国立海軍博物館)というベルヴェデーレのアポロ像を思わせる作品であったが、このオーム(1725‐1790年)の肖像にも古代の英雄のような威厳が備わっている。
オームは1755年、ピッツバーグでフランス軍と戦った際、イギリス軍の総指揮官エドワード・ブラッドック(1695‐1755年)の副官を務めている。
解説:田辺 清(大東文化大学 教授)