
ピーテル・ブリューゲル(父)が得意とする寓意(ぐうい)的風俗画のひとつ。
食べ物の載った円卓の下に寝転がって、食べ物が自然に口に入ってくるのを待っている農民、騎士、学者。
「怠け者の天国」というイメージは古代末期からあるが、ここでブリューゲルは、ハンス・ザックスが詩にうたった内容をヒントに、現代風俗の装いのもと、その馬鹿げた世界を描き出している。
言うまでもなく、現実世界のあちこちに見られる怠惰と飽食の諷刺である。
【関連展示会】
・ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展:2017年7月2日まで