エル・グレコ, プラド美術館

「羊飼の礼拝」 エル・グレコ

羊飼の礼拝
年代:1612-1614年
製法:油彩、カンヴァス
収蔵美術館:プラド美術館

晩年に、自らの墓所サント・ドミンゴ修道院付属礼拝堂を飾るために描いた大作である。

洞窟を思わせる暗がりの中、幼児キリストを光源として福音の光はマリアからヨセフへ、さらに3人の羊飼へと反響する。

ひざまずいて合掌する手前の男はエル・グレコの自画像とされるが、その大胆剛直な筆遣いには老いからくる衰えはない。

だが描き残したり、下書き風の、今から見れば実に近代的なスタイルが、かつては批判されたのである。

解説:大高 保二郎(早稲田大学 教授)
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