「羊飼の礼拝」 エル・グレコ 作者:エル・グレコ 年代:1612-1614年 製法:油彩、カンヴァス 収蔵美術館:プラド美術館 晩年に、自らの墓所サント・ドミンゴ修道院付属礼拝堂を飾るために描いた大作である。 洞窟を思わせる暗がりの中、幼児キリストを光源として福音の光はマリアからヨセフへ、さらに3人の羊飼へと反響する。 ひざまずいて合掌する手前の男はエル・グレコの自画像とされるが、その大胆剛直な筆遣いには老いからくる衰えはない。 だが描き残したり、下書き風の、今から見れば実に近代的なスタイルが、かつては批判されたのである。 解説:大高 保二郎(早稲田大学 教授) あわせて見たい絵画・コラムフランス風景画の巨匠が愛したモメント:カミーユ・コロー『朝、ニンフの踊り』(1850年/オルセー美術館)【コラム】美術の皮膚(132)ゴッホとゴーギャン~ポン=タヴァンの神託~【コラム】美術の皮膚(49)「盗難絵画⑦~再びラスボロー・ハウスで~」【コラム】美術の皮膚(22)「近世のご長寿画家たち②~近代絵画の祖父?シャルダンまで~」 スポンサードリンク