「胸に手を置く騎士の肖像」ー エル・グレコ 作者:エル・グレコ 年代:1580-1585年頃 製法:油彩、カンヴァス 収蔵美術館:プラド美術館 正面観と垂直性が際立つ若い騎士の肖像である。こうしたポーズは画家の出自に関わる、ビザンティン世界のイコン(聖像画)を連想させる。 エル・グレコに限らず、マニエリスムの画家は顔に劣らず手を通して表情を伝える。 この人物独特の高潔、真撃(しんし)な雰囲気はセルバンテス時代の理想像としてのちの文学作品でも称揚された。彼の視線は私たちのはるか背後に向けられ、その魂はもはやこの世のものではなかろう。(大高) スポンサードリンク 編集者RECENT POSTED2023年2月6日憧憬の地 ブルターニュ ― モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷:国立西洋美術館イベント情報2023年2月6日ルーヴル美術館展 愛を描く:国立新美術館イベント情報2022年1月12日【コラム】美術の皮膚(192)マネの黒とマネの闇~モネの友情×打算~コラム2021年12月18日【コラム】美術の皮膚(191)マネの黒とマネの闇~ブーダンとクールベ~コラム2021年12月11日【コラム】美術の皮膚(190)マネの黒とマネの闇~本当の印象派の父~コラム2021年11月27日【コラム】美術の皮膚(189)マネの黒とマネの闇~もう一枚の集大成~コラム編集者の記事一覧