「サン=ラザール駅」 クロード・モネ 作者:クロード・モネ 年代:1877年 製法:油彩、カンヴァス 収蔵美術館:オルセー美術館 子どもの頃住んだル・アーヴルやアルジャントゥイユへの往き来にモネはこのサン=ラザール駅を利用した。駅構内を覆うガラス天井からの光の中に揺らめく機関車の煙や蒸気、鉄骨の枠に収められた背景の建物の輝きが、大都会に息づく終着駅の雰囲気を演出して見せる。 画面中央下方、水平に描かれたヨーロッパ橋がこの絵の構図を引き締め、画家の周到な配慮をうかがわせる。のちの連作『積み藁(わら)』や『睡蓮』などの先駆けをなす作品である。(高草) あわせて見たい絵画・コラム「落穂拾い」 ジャン=フランソワ・ミレー「マドリード、1808年5月3日」 フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス「三連祭壇画:教会内の玉座の聖母子」 ヤン・ヴァン・エイク【コラム】美術の皮膚(8)「仮説を越えた暴論かもしれないけれど」 スポンサードリンク