「黒い羽毛のショールの女」 トゥルーズ=ロートレック 作者:トゥルーズ=ロートレック 年代:1892年 製法:油彩、厚紙 収蔵美術館:オルセー美術館 トゥルーズ=ロートレックは常にスケッチブックを携帯し、気に入ったものを素早く的確に素描したと言われる。 この画面のようにモデルが眼前で悠然とポーズをとる場合でも、あえて画家は非常に急いだ描法をとっている。 カルトンの背景はほとんど塗られておらず、模様のある彼女の黒っぽいドレスもざっとなぞったのみである。ただ白粉を塗った顔だけが、幾分入念に描かれて、狡猾そうな視線の中に娼婦のしたたかさをうかがわせている。(隠岐) あわせて見たい絵画・コラム「化粧」 トゥルーズ=ロートレック【コラム】美術の皮膚(112)「ロートレック~浅からぬ因縁~」【コラム】美術の皮膚(179)マネの黒とマネの闇~迷路は続くよどこまでも~「いかさま師」 ジョルジュ・ド・ラ・トゥール スポンサードリンク