「黒い羽毛のショールの女」 トゥルーズ=ロートレック 作者:トゥルーズ=ロートレック 年代:1892年 製法:油彩、厚紙 収蔵美術館:オルセー美術館 トゥルーズ=ロートレックは常にスケッチブックを携帯し、気に入ったものを素早く的確に素描したと言われる。 この画面のようにモデルが眼前で悠然とポーズをとる場合でも、あえて画家は非常に急いだ描法をとっている。 カルトンの背景はほとんど塗られておらず、模様のある彼女の黒っぽいドレスもざっとなぞったのみである。ただ白粉を塗った顔だけが、幾分入念に描かれて、狡猾そうな視線の中に娼婦のしたたかさをうかがわせている。(隠岐) あわせて見たい絵画・コラム「柱廊と中庭」 カナレット「ヴェネツィアのパラッツォ・ドゥカーレ」 カナレット【コラム】美術の皮膚(6)「主題の終焉という革命」【コラム】美術の皮膚(35)「世界有数の画家集団~尽きていなかった狩野永徳のDNA~」 スポンサードリンク