「化粧」 トゥルーズ=ロートレック 作者:トゥルーズ=ロートレック 年代:1896年 製法:油彩、厚紙 収蔵美術館:オルセー美術館 娼婦たちの生態に気取りのない安らぎをみた画家は「どこよりも一番くつろげる」と称して娼館に入り浸った。 それは明け透けな彼女たちの姿に格好の描画モティーフを見いだしたことでもあり、50枚以上の油彩画と数百枚にもおよぶデッサンを制作し、1895年の5月には『彼女たち』という多色刷り石版画集も刊行している。 画家は女のやせた背を中央にすえることで、化粧という言葉の持つ、媚とは無縁な孤独感と一時の安息を表現している。(隠岐) あわせて見たい絵画・コラム【コラム】美術の皮膚(9)「自浄能力がコンテンポラリーアートを生んだ」「モートン伯爵夫人アンナ・ダールキスとアンナ・カーク嬢」 ヴァン・ダイク (アンソニー・ヴァン・ダイク)「星夜の糸杉の道」 フィンセント・ファン・ゴッホ「国立新美術館 開館10周年 ジャコメッティ展」 スポンサードリンク