「黒衣のフェリペ四世」 ディエゴ・ベラスケス 作者:ディエゴ・ベラスケス 年代:1626-1628年 製法:油彩、カンヴァス 収蔵美術館:プラド美術館 黒い衣装に身を包んだフェリペ四世の全身像である。描き直しはX線撮影によらずとも肉眼で認められ、国王として気高く厳粛なイメージに仕上げるのに苦心した跡をうかがえよう。 モデルの美徳を飾り立てるバロックの君主像と異なり、これは質素で味気無い。 だが、この画像こそ修道士のように禁欲、節制を旨とするスペイン王の理想の姿なのである。紙片は王の勅令、金羊毛勲章はカトリック教会の守護を表している。(大高) あわせて見たい絵画・コラム「ナインの若者の蘇生」 パオロ・ヴェロネーゼ「タルソスに上陸するクレオパトラ」 クロード・ロラン【コラム】美術の皮膚(20)「中世のご長寿画家たち」「戦乱の恐怖」 ピーテル・パウル・ルーベンス スポンサードリンク