オルセー美術館, ルノワール(オーギュスト・ルノワール)

「ピアノを弾く少女たち」 ルノワール (オーギュスト・ルノワール)

ピアノを弾く少女たち
年代:1892年
製法:油彩、カンヴァス
収蔵美術館:オルセー美術館

柔らかな色調が甦り、暖かな雰囲気が漂う晩年の作風を予告する。同じテーマの絵は、他に数点あるが、この作品が最も完成度が高く、構図も緊密である。印象派の詩人マラルメが「溌刺として自在な成熟期の作品」と激賞し、国費で購入された。

ルノワールもこの頃「軽やかな音の絵に戻り、もう二度とそこから離れない」と語っているが、印象派からルノワール独自の画風に向かう。譜面に見入る少女たちの表情からピアノの音が聞こえてくるようだ。

解説:高草 茂(美術史家)
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