「自画像」 ポール・セザンヌ 作者:ポール・セザンヌ 年代:1875年頃 製法:油彩、カンヴァス 収蔵美術館:オルセー美術館 生涯30点以上描かれた自画像の中でも、30代半ばの内省的で武骨な風貌を伝えるこの作品は、セザンヌの人間を最もよく示す。初期のバロックとロマン主義的傾向を残す印象派時代の代表作である。 あごひげを蓄え、口をぎゅっと結んだ自画像は、晩年にかなり穏やかな雰囲気に包まれるが、寡黙で、深い精神的な情感を秘めたその表情は変わらない。衣服を暗色で抑え、背景を明るくして額に光を強く当てた構図と技法はセザンヌ独自のものである。(高草) あわせて見たい絵画・コラム【コラム】美術の皮膚(131)ゴッホとゴーギャン~新印象派スーラと反印象派の総合主義~「船遊びの人々の昼食」 ルノワール (オーギュスト・ルノワール)「ヴェネツィアに到着したフランス大使の歓迎式」 カナレット【コラム】美術の皮膚(183)マネの黒とマネの闇~強かなモネ~ スポンサードリンク