世界の美術館

「リンゴとオレンジ」 ポール・セザンヌ

リンゴとオレンジ
年代:1895-1900年頃
製法:油彩、カンヴァス
収蔵美術館:オルセー美術館

リンゴやオレンジが存在感をもって生きている。テーブルを覆う白布やカーテンはその演技場の舞台である。果実皿や水差しは、息づいているリンゴやオレンジの動きを介添えしている。

ここでは、単一遠近法は全く無視され、静物それぞれの存在を凝視するかのように、いくつかの視点が組み合わされて各々の生命を溢れさせる。セザンヌはリンゴに託して自分の感情を表現し、平面絵画の空間に多様な深みを刻んだ。現代美術の幕開けを告げる最も重要な静物画である。(高草)