クレラー=ミュラー美術館
オランダ アムステルダム
オッテルローにあるオランダ国立美術館。ゴッホ美術館と並んで多数のゴッホ作品を所有していることで特に知られている。
コレクションは、元来オランダの実業家クレラー=ミュラー夫人ヘレーネが収集したもので、夫人は別荘のあったホーヘ・フェルウェを公園とし、そこに美術館を建設することを計画していたが経済的理由で中断していた。
1935年、美術館の建設を条件として公園とコレクションが国家に寄贈され、1938年に国立美術館として開館した。
建築にはベルギーのアール・ヌーヴォーの代表的なデザイナーで建築家でもあったヴァン・デ・ヴェルデがあたり、1953年に増築、1977年にはウィム・G.クイストによる新館も開館した。
コレクションの内容は夫人が収集した近代フランス絵画を中心とし、ゴッホ以外の代表的な所蔵作品にはスーラの『シャユ踊り』やルドンの『キュクロプス』などがある。また、現代美術の充実もはかられ、豊かな自然の中には多くの現代彫刻が展示されている。
特にゴッホの作品が多い(油彩89点、素描184点)のは、夫人の美術顧問P.ブレマーの尽力によるところが大きい。(喜多崎 親)