ウィーン美術史美術館 | 世界の美術館

ウィーン美術史美術館

オーストリア ウィーン

ウィーン美術史美術館 収蔵絵画の画家一覧

ウィーン美術史美術館は、ミュンヘン、ベルリン、ドレスデンなど、ドイツ語圏の他の大都市の美術館がそうであるように、多くの独立した部門から成る総合美術館である。すなわち、マリア・テレジア広場の本館内の絵画ギャラリー、彫刻・工芸収集、貨幣キャビネット、エジプト・オリエント収集、古代収集、ノイエブルク内の武具収集、楽器収集、エフェソス美術館のほか、ホーフブルクの宝物室、シェーンブルン宮の馬車庫を包括した美術館組織なのである。そのような幅の広さは、言うまでもなく所蔵品の基礎となっているオーストリア・ハプスブルク家のコレクションの豊かさに由来している。

すでに14世紀には成立していたハプスブルク家の宝物室は。フリードリヒ三世(在位1440-1493年)やマクシミリアン一世(在位1493-1519年)の美術庇護(ひご)や収集活動を経て、優れた美術品をも含むものとなっていった。

その後、コレクションの充実に特に重要な役割を果たしたのは、インスブルック宮殿やアンブラス城に武具、楽器、貨幣、美術。工芸の逸品を集めたフェルディナント大公(1529-1595年)、プラハ宮殿で庇護・収集活動を展開した皇帝ルドルフ二世(在位1576-1612年)、ネーデルラント総督としての10年間にわたるブリュッセル滞在の際に、大規模な美術コレクションを築き上げたレオポルト・ヴィルヘルム大公である。それらのコレクションは、18世紀中にウィーンに集結、統合され、現在のウィーン美術史美術館の基礎が作られたが、絵画ギャラリー部門に関して、今日の形を決定づけたのは、啓蒙(けいもう)君主として知られるヨーゼフ二世(在位1765-1790年)であった。彼は、1781年、各宮殿の絵画作品をベルヴェデーレ宮殿上宮へ集めて、時代流派別に整理陳列し、それを公開したのであった。

19世紀に入って、ウィーンの美術コレクションは、さらにエジプト・オリエント収集、古代収集を加え、1891年には、カール・ハーゼナウアー、ゴットフリート・ゼンパーの設計による現在の美術館本館が完成した。館内はマカルト、クリムトの絵画やカノーヴァの彫刻によって装飾されている。

ウィーン美術史美術館は、19世紀以降のヨーロッパ絵画も所蔵していたが、それは現在では、同時期のオーストリア美術をコレクションの対象とするオーストリア絵画館と一緒にベルヴェデーレ宮殿の上宮に展示されている。このオーストリア絵画館の見ものは、何と言っても、マカルト、クリムト、シーレなどの19世紀後期から20世紀初頭にかけてのオーストリア絵画である。(有川 治男)

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ウィーン美術史美術館 収蔵絵画の画家一覧

ウィーン美術史美術館は、ミュンヘン、ベルリン、ドレスデンなど、ドイツ語圏の他の大都市の美術館がそうであるように、多くの独立した部門から成る総合美術館である。すなわち、マリア・テレジア広場の本館内の絵画ギャラリー、彫刻・工芸収集、貨幣キャビネット、エジプト・オリエント収集、古代収集、ノイエブルク内の武具収集、楽器収集、エフェソス美術館のほか、ホーフブルクの宝物室、シェーンブルン宮の馬車庫を包括した美術館組織なのである。そのような幅の広さは、言うまでもなく所蔵品の基礎となっているオーストリア・ハプスブルク家のコレクションの豊かさに由来している。

すでに14世紀には成立していたハプスブルク家の宝物室は。フリードリヒ三世(在位1440-1493年)やマクシミリアン一世(在位1493-1519年)の美術庇護(ひご)や収集活動を経て、優れた美術品をも含むものとなっていった。

その後、コレクションの充実に特に重要な役割を果たしたのは、インスブルック宮殿やアンブラス城に武具、楽器、貨幣、美術。工芸の逸品を集めたフェルディナント大公(1529-1595年)、プラハ宮殿で庇護・収集活動を展開した皇帝ルドルフ二世(在位1576-1612年)、ネーデルラント総督としての10年間にわたるブリュッセル滞在の際に、大規模な美術コレクションを築き上げたレオポルト・ヴィルヘルム大公である。それらのコレクションは、18世紀中にウィーンに集結、統合され、現在のウィーン美術史美術館の基礎が作られたが、絵画ギャラリー部門に関して、今日の形を決定づけたのは、啓蒙(けいもう)君主として知られるヨーゼフ二世(在位1765-1790年)であった。彼は、1781年、各宮殿の絵画作品をベルヴェデーレ宮殿上宮へ集めて、時代流派別に整理陳列し、それを公開したのであった。

19世紀に入って、ウィーンの美術コレクションは、さらにエジプト・オリエント収集、古代収集を加え、1891年には、カール・ハーゼナウアー、ゴットフリート・ゼンパーの設計による現在の美術館本館が完成した。館内はマカルト、クリムトの絵画やカノーヴァの彫刻によって装飾されている。

ウィーン美術史美術館は、19世紀以降のヨーロッパ絵画も所蔵していたが、それは現在では、同時期のオーストリア美術をコレクションの対象とするオーストリア絵画館と一緒にベルヴェデーレ宮殿の上宮に展示されている。このオーストリア絵画館の見ものは、何と言っても、マカルト、クリムト、シーレなどの19世紀後期から20世紀初頭にかけてのオーストリア絵画である。(有川 治男)

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