エドゥワール・マネ
エドゥワール・マネ
Edouard Manet
(1832-1883年)
フランスの画家。パリに生まれ、同地で没。父は裁判官。南米航路の商船の見習生ののち、1850年トマ・クチュールの画塾に入る。彼は、この師から古典主義的な主題を現代的な情景の中で描く法を学ぶ。
イタリア、ドイツ、ベルギーなどの旅行を経て、1859年からサロンへの出品を始めるが、落選することが多かった。やがて、1863年の落選展に『草上の昼食』、1865年のサロンに『オランピア』(ともにパリ、オルセー美術館)を出品、世の激しい批難を浴びる。
その革新的表現が物議の的となったのであるが、のちの印象派グループからは先駆者として支持される。これが印象派運動の起こりとなった。しかし、彼は運動には直接加わらず、その後もサロンへの出品をし続けた。
パリの市民生活を題材に、自由闊達(かったつ)な線と比類のない色彩感覚で描いたその作品は、印象派とともに、近代絵画の最も重要な地位を占めるものである。その他の代表作に『マクシミリアン皇帝の処刑』(マンハイム、市立美術館)、『ナナ』(ハンブルク美術館)、『フォリー=ベルジェールの酒場』(ロンドン、コートールド美術研究所)などがある。(編集部)