エドガー・ドガ
エドガー・ドガ
Hilaire-Germain-Edger Degas
(1834ー1917年)
フランスの画家。パリに生まれ、同地で没。裕福な銀行の家庭に生まれる。1845年エコール・デ・ボーザールに入学し、アングル門下のラモートに師事。のちにイタリアに留学し、ルネサンス美術に傾倒。初期はおもに歴史画、肖像画を描いたが、1865年頃以降、次第に市井の人々の日常生活に題材を求めるようになる。
競馬、カフェ、店頭風景、洗濯女、浴女などその対象は幅広く、特に古典バレエの踊り子を描いた作品に優れたものが多い。彼の芸術の課題は人間の動きを瞬間的にとらえて画面に定着させることで、それをざん新な構図と優れたデッサン力で見事に成功させた。印象派展にも積極的に参加したが、モネなどとは違って風景画にほとんど手を染めていない。
しかし他の印象派の画家と同じように、構図表現などに浮世絵の影響が認められる。油彩のほかパステルや版画にも長じ、彫刻にも優れた作品を残した。代表作に『三人の踊り子』(パリ、個人蔵)、『二人の洗濯女』(ニューヨーク、個人蔵)、『若い女の肖像』、『青い踊り子たち』(ともにパリ、オルセー美術館)などがある。(DVD美術全集 『世界の美術館』 編集部)