ニコラ・プーサン
ニコラ・プーサン
Nicolas Poussin
(1594-1665年)
17世紀フランスの画家。1594年ノルマンディーのレ・ザンドリーで生まれ、1665年にローマで没する。生地で修業したのち、パリに出て活動を始め、さらに1624年ローマに渡る。
はじめはヴェネツィア派の影響をとどめていたが、ラファエルロの感化もあって、次第に古典古代の主題を取り上げ、歴史画や寓意画(ぐういが)を制作する。安定した構図と抑制のきいた色調の古典主義様式を完成させ、名声を博した。
1640年招かれてパリに戻り、ルイ十三世の首席宮廷画家を務め、ルーヴル宮の装飾に携わる。
1642年再びローマへ赴き、人文主義者と広く交わるとともに、終生ローマで創作活動をする。自然の丹念な観察に基づいた風景画も多く残した。彼の古典様式はフランス・アカデミズムの規範となり、後代のフランス絵画に大きな影響を与えた。(木下亮)