アルブレヒト・デューラー
Albrecht Dürer
(1471-1528年)
ドイツの画家・版画家。1471年ニュルンベルクに生まれ、1528年同地で没する。板絵や油彩のみならず、銅版画や木版画、おびただしい数の素描を残し、イタリア・ルネサンスの古典的理想美とドイツ美術の伝統を融合させ、北方ルネサンスを完成させた。
生地で修行し、ライン上流の諸都市で活動したのち、1494年ヴェネツィアに滞在してルネサンス美術やイタリア版画を学ぶ。1498年木版画集『受難伝』、『ヨハネ黙示録』を発表し、広く名声を博すとともに、ザクセン選帝候フリードリヒの庇護(ひご)を得る。
1505年再度ヴェネツィアに赴き、祭壇画『ローゼンクランツフェスト』を描く。帰国後ドイツ皇帝マクシミリアン一世に厚遇され、祈祷書装飾画や木版で『凱旋門』を制作する。晩年は著書や草稿の中で、人体比例や遠近法の美術理論の考察を展開した。(木下亮)